分布 |
山地に自生し、尾根から山腹、谷間まで広い範囲で見られる。子供の国に植栽のものがある。自生のものは確認していない。 |
樹皮 |
樹皮は帯灰褐色で縦裂。 |
葉 |
葉柄は長さ2~5cm、葉身は長さ4~10cmの歪んだ円形。先は尾状に伸びる。基部は左右不同の心形。縁には不整な鋭鋸歯。葉脈は掌状に5本の主脈、基部側脈からさらに5本の側脈が出る。表面は濃緑色、裏面は緑色、表裏とも脈上に僅かな毛。葉裏の脈腋の分岐部に褐色の毛がある。 |
花 |
花は両性花、淡黄色の花を10数個付けた集散花序を出す。花の直径は1cm程。花柄には狭長楕円形の総苞葉が付く。萼、花弁それぞれ5枚。花弁の内側に仮雄しべがあり、花弁が10枚あるようにも見える。花は香りがよく、良質の蜜源になる。 |
実 |
直径5~7mmの球形の堅果。熟すと果序についたまま苞と一緒に落ち、苞がプロペラの働きをして、母木から遠くに散布される。 |
名前 |
アイヌ語の「結ぶ」の意味の「シナ」に由来、または樹皮がしなしなするためなどの説がある。 |
メモ |
樹皮の繊維は布や縄の原料として利用されていた。 |
冷凍ミイラ「アイスマン」のマントはシナノキの繊維を編んだものと言われている。 |